折り込みチラシや新聞などの広告、カタログや名刺などの紙媒体にQRコードを付けて、ウェブサイトに誘導しているケースを良く見かけます。
ただ、ウェブサイトのURLそのままでQRコードを生成したとしても、Googleアナリティクスで解析はできません。
なぜなら、計測結果を見ると流入元は「direct」と判別されます。directとはURLの直接入力やブックマークからの流入です。
このままだと、他のdirectとの区別が付きませんし、複数の媒体にQRコードを付けていたらどの媒体からの流入かも区別がつきません。
では、どうやってQRコードから訪問したか判別するのでしょうか。
それは、URLにパラメータを付けることで解決します。
パラメータとは
ここで解説するパラメータとは、URLの後ろに「?utm_source=XXX」といった記述を付けることで、どこから流入したのか、どの媒体なのかを、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールに情報を渡すものを指します。
例えば、2021年11月3日の折り込みチラシで入会申し込みを促すためにQRコードを付けているとします。その場合に次のようなパラメータを付けます。
https://ドメイン名.jp?utm_source=chirashi&utm_medium=qr&utm_campaign=20211103entry
utm_sourceは参照元の媒体名を入力します。ここではchirasi(チラシ)とします。Googleアナリティクスの参照元で「chirashi」と表示されます。
utm_mediumはメディアを入力します。ここではqrとします。Googleアナリティクスの「参照元/メディア」では「chirashi/qr」と表示されます。
utm_campaignはキャンペーンを入力します。ここでは20211103entryとします。Googleアナリティクスのキャンペーンで「20211103entry」と表示されます。
この「saurce」「medium」「campaign」をパラメータに入れることで、どの参照元で、どのメディアで、どのキャンペーンのQRコードから流入してきたか判別できるようになります。
パラメータの生成方法
「Campaign URL Builder」で簡単に生成できます。
必ず入力しないといけない項目は4つだけです。他にも項目があるので、特に初心者の方が悩むところですが、心配はいりません。
また、ここに入力する情報は自由で、入力した文字列がそのままアクセス解析に反映されますのでわかりやすいもの、後から解析しやすいものにしておきます。
websiteURL・・・ここは、訪問させたいウェブサイトのURLを入力します。
campaign source・・・例えば、newspaper、flier、namecardなど参照元を入力します。
campaign medium・・・例えば、QRコードなら「qr」と入力します。
campaign name・・・折り込みチラシや新聞なら日付や、その他のキャンペーン情報を入力します。
パラメータのルールを決める
後に、アクセス解析を継続的に実施していくためには、最初のルール決めが大切です。
なぜなら、後から見たときに判別をつけやすくするためです。
よくある事例ですが、ルール決めをせずに複数の業者が案件に携わっている場合に、同じ参照元なのに業者毎に違うパラメータを付けてしまい、解析をしたときにまとめるのが大変なことがあります。
例えば、新聞広告に入れたQRのsource(参照元)が「shinbun」だったり「newspaper」だったりすると、それぞれ別の参照元として計測されます。また、medium(メディア)が「qr」だったり「qrcode」だったりしてもややこしいし、集計が大変です。
プロの業者に任せる場合でも、こういったルールの管理は自社または解析する人が決めて行っておきましょう。
アクセス解析に活用する
URLにパラメータを付けてQRからの流入が判別できれば、アクセス解析にとても役立ちます。アクセス解析だからと言ってWEBサイトだけの改善に活かすことだけでなく、チラシや新聞広告などの印刷物の改善にも役立ちます。
チラシを見たユーザーが、どのようなコンテンツに関心を持ってWEBサイトに来るのかわかります。ただ単純に「ホームページはこちら」という誘導ではなかなかQRコードを読んでもらえません。
印刷物などの紙媒体の内容を補完するために工夫が必要です。キャンペーン応募といったコンバージョン目的以外にも、自社の商品やサービスの理解促進のために、WEBサイト内の事例に誘導したり、動画コンテンツがある旨を訴求したり、様々な方法が考えられると思います。
こういった解析をしながら、印刷物などの改善をしていくことをお勧めします。